株主・投資家の皆様へ

社長メッセージ

事業領域の拡大に挑戦株式会社ACKグループ 代表取締役社長 廣谷彰彦

東日本大震災も影響し減収減益
上場後初の赤字を計上


 ご存知のように2011年3月11日に起きた東日本大震災により、国内のあらゆる産業が打撃を受けました。当社ではオリエンタルコンサルタンツ東北支店が被災。さらに公共事業を中心に発注時期に遅れが生じたことなども影響し、当期は減収減益となり、上場後初の当期純損失を計上する結果となりました。ただし、受注高は前年に比べて増加しており、これらは来期の売上高に貢献します。また事務所移転など、すでに実施中の年間約2億円のコスト削減策により利益の回復を目指します。
  震災後、被災地を中心に復興関連の公共事業の需要が増加。すでに震災直後より、当社グループでは被災地の復旧・復興支援に関わっており、複数の自治体から業務を委託され、港湾・河川・道路・橋梁など海岸線に沿った地域の復興に貢献してきました。今後も、自治体への復興支援や新たな街づくりの提案、さらに大量な瓦礫の処理など、継続して支援活動を行ってまいります。

民間事業を取り込む新たな施策


 震災により一時的に公共事業が復活しているように見えるものの、すでに東北地方以外の公共事業においては不透明感がただよっており、被災地の復興が一段落すれば、間違いなく国内公共事業は縮小していかざるを得ない状況にあります。過去20年間にわたり減少トレンドの公共事業ですが、その中で競争に打ち勝つには技術だけでなくサービスという視点を持たねばなりません。つまりハードとソフトの融合です。インフラや施設を作るだけでなく、長寿命化や補修、管理・運営といったサービスを展開し、国民に満足していただく。防災や維持管理、環境・エネルギーなど幅広いニーズに応える視野の広さが求められます。また、たとえ公共事業でも官民共同や民間資金の活用などの動きが加速しています。今後はそれぞれの領域で専門分野を展開しつつ、「統合型」事業として幅広く打ち出していく必要があります。
  当社の3軸体制において、一番出遅れているのが民間です。基幹企業のオリエンタルコンサルタンツにおいては、国内では公共事業、海外ではODAという名の公共事業を中心に活動してきたことは否定できません。これを克服し強化するため、パシフィックコンサルタンツグループと業務提携。お互いの強い所を融合・強化し、国内外の、中でも海外民間事業の受注拡大へ向けた新しいチャレンジをスタートします。東南アジアなど開発途上国の発展に伴い、日本のODAは縮小傾向にあります。海外公共というODAにしがみつくのでなく、より市場規模の大きい海外民間へ積極的にシフトします。特に開発途上国では「都市化」が加速しています。都市はインフラが集積する場所であり、交通・通信・エネルギーなど民間ニーズが幅広く、参画できる事業に限りがありません。ここに力を注ぎ、次の成長トレンドを描きます。

パッケージ型インフラ海外展開など
事業領域の拡大を加速


 政府主導の新成長戦略の中で、民間のノウハウや資金により、鉄道、水ビジネス、再生エネルギーなどの事業を展開する「パッケージ型インフラ海外展開」が提唱されました。これらはすでに実績のある分野であり、われわれの向かう方向性と合致しています。この事業を成功に導くためには、商社やデベロッパーなど他企業との連携が欠かせません。あるいは資金調達という面でファイナンスが必要になり、複合的なコンサルティングサービスを展開することになります。
  世界の上位コンサルタントは開発途上国の大規模なインフラ事業の需要を取り込み、さらにM&Aにより売上を大きく拡大してきました。なかには20年間で売上が5倍以上に成長した企業もあります。この間、日本企業はわれわれを含め、公共事業中心で民間(特に海外)に目を向けてこなかったという事情があります。しかし我々日本の企業には高い技術力と、国内で培った豊富なノウハウやアイデアがあります。これらの「知」を融合し他企業との連携も含めて大いに発信していきたい。パッケージ型インフラ海外展開を成功させ受注を増やし、世界での存在感を高めていきたいと思います。

■売上高の推移
売上高の推移
■営業利益の推移
営業利益の推移
パシフィックコンサルタンツグループと業務提携の覚書を締結。記者発表を行いました。

パシフィックコンサルタンツグループと業務提携の覚書を締結。記者発表を行いました。

■事業領域の拡大イメージ
事業領域の拡大イメージ